国内はもとより世界のプロの演奏者から、修理や調整依頼が
岩崎バイオリン工房の技がバイオリンの音色を支えている
岩崎工房作のバイオリンが 世界から注目される日も近いかも
野川の岸辺が赤く染まった初冬の1日、野川近くの岩崎バイオリン工房(岩崎清夫さん)を訪問しました。
武蔵小金井駅南口から徒歩15分 坂の下の閑静な住宅地の一角に岩崎工房はあります。
看板は無く、小さな窓に小さなバイオリンが見えるものの、中を覗かなければ、バイオリン工房とは分からない建物です。
一寸おしゃれな建物のデザインが、中を覗いて見たくなる雰囲気です。
中に入ると、バイオリン、ビオラ、チェロがずらりと並び作業台の周囲は、修理道具がところ狭しとびっしり、整然と並んでいました。
「何故この地を選んだのですか。」との問いに。
以前は明大前に住んでいた。ここは、野川に近く、静かで自然環境が素晴らしい、犬の散歩によし、子供を育てるにいい。生活しやすい。静かですごくいいところだ。と話してくれました。
「ビジネス的に考えると都心の方が良いのでは。」との問いには。
「場所は関係ない。」と、ぴしゃり。
プロの方の細かな要求やこだわりに応え、音色を良くする。お客様と心を通わせながら満足していただく。そうすればお客様は場所を選ばない。遠くとも小金井まで来てくれる。
そこには、長い経験で培われた確かで高い技術そしてお客様からの厚い信頼、それにこれまでの人生で得た大切な人脈がある。岩崎さんの自信と誇りを垣間見ることができました。
駅から遠い工房ですが、海外で活躍する一流の演奏家がバイオリンを持ち調整に訪れる。遠く北海道や宮崎県はじめ全国各地から訪れるプロの演奏家、それにアマチュアの方々が岩崎工房を訪れ、そしてリピーターになっています。
世界でそして日本で注目され、支持されているバイオリン工房が小金井にあるのです。
自分でバイオリンを作る
岩崎さんは、大学生の時オーケストラのサークルに入り、ビオラを担当していましたが、そこで初めてバイオリンに触れその時バイオリンの形に魅了されたそうです。その大学を辞め都内のいくつかの工房で修業を重ねながら腕を磨き、そして、小金井での10数年の経験を踏まえて、今は、「バイオリンを最初から最後まで自分一人で作る。これまでの数多くの名器に接して得た名器の技術を、自分で形にして完成する。」との強い思いから、今は、イタリアのカエデ材、ドイツのトウヒ材など本場の材料を使い、本物のバイオリンつくりに挑戦されています。
岩崎バイオリンが世界から注目される日がきっと来るのではないでしょうか。
岩崎工房 代表 岩崎清夫氏 小金井市中町 1-7-29